珈琲豆の雑学まめ知識

➊ 焙煎度合と味や香りの変化について

1 ライトロースト      極浅煎り  Light roast 

うっすら小麦色。コ香りやコクはまだまだ不十分で青臭い。一般的に飲まれることはありません

2 シナモンロースト   煎り  Cinnamon roast 

名前の通り、シナモン色。まだ豆の青臭く、飲用には適しません。豆の酸味が最も強いので、“酸味好き”の方には好まれる

3 ミディアムロースト中煎り  Medium roast 

酸味が強く苦味は少ない。喫茶店などで提供される「アメリカンコーヒー」に用いられることが多い焙煎度合いです。

4 ハイロースト           中煎り  High roast 

さわやかな酸味、苦味や甘みが現れ、バランスに優れた味わいになります。一般的な焙煎度合いです。

5 シティロースト        深煎り  City roast

酸味と苦味のバランスが取れた、最も一般的な焙煎度合いです。ニューヨークシティーが「シティー」の由来のようです。

6 フルシティロースト 深煎り  Full city roast

酸味が少なく苦味が際立ってくる焙煎度合いです。また、こうばしい香りが出始めます。

7 フレンチロースト 極深煎り French roast 

酸味はほとんどなくなり、苦味が際立ちます。カフェオレなどミルクやクリームと相性が良くなります

8 イタリアンロースト 極々深煎り Italian roast 

苦味と深いコクが特徴で、エスプレッソやカプチーノなどイタリアに適した焙煎度合いです。アイスコーヒにも使用します。

❷ 珈琲豆の産地と特長

  • 【イエメン】モカ(モカマタリ豆)が有名。モカ独特な酸味と香りがあり、苦味は強くなく、すっきりと味わいです。
  • 【エチオピア】ゲイシャはもともとエチオピアのゲシャという地域に自生していたそうです。世界最高の香りを誇ると言われ、フルーティーな香りと酸味が強いのが特徴です。今では世界各地で生産されています。
  • 【パナマ】パナマといえば、やはりゲイシャ種のコーヒーです。2004年に開催された「ベスト・オブ・パナマ」で、エスメラルダ農園が「ゲイシャ」という品種を当時としては破格の値段で出品しました。これがパナマコーヒー(ゲイシャ種)が世に広まった理由です。
  • 【ケニア】風味が非常に豊かです。ベリーや柑橘系の明るい酸味と、やわらかな苦味とコクを持ち合わせておりバランスの良いです。
  • 【タンザニア】キリマンジャロは強い酸味とサッパリとした味。 強い苦みがなく、軽い飲み口です。またコクもありながらも、あっりとした飲みやすさもあります。
  • 【インド】マイルドな甘味と酸味です。苦味も感じられますがまろやかで比較的飲みやすいコーヒーです。
  • 【インドネシア】マンデリン 軽い酸味、強めの苦味でしっかりとしたコクが特徴。日本では古くから人気があります。
  • 【インドネシア】トラジャ インドネシアのスラウェシ島にあるトラジャ地方で栽培され酸味・苦味・甘味・コクのバランスのよさは抜群です。
  • 【インドネシア】ジャコウネココーヒー 世界一高いコーヒー豆と言われています。ジャコウネコから採取できる豆の量はわずかなため、希少価値が高いです。酸味が少なくさっぱりしているのが特徴です。普通のコーヒーとはまた違った酸味が感じられます。
  • 【ベトナム】生産量がブラジルに次ぐ世界第2位であるコーヒー大国です。また、90%以上はロブスタ種です。苦味と渋味が強いことです。また酸味はほとんど無く、香ばしい香りが強いのも特徴です。インスタントコーヒーや缶コーヒーの原料に多く使用されています。
  • 【中国】雲南省 果実酒のような芳醇で個性的な香味。独自の発酵プロセスによって生まれる独特の香りに、虜になる方も多いです。最近、注目度が上がってきています。
  • 【米国ハワイ島】コナ やわらかな酸味、果実味を感じさせるフルーティな甘い香り、そして苦みの少ないまろやかな味わいです。
  • 【ジャマイカ】ブルーマウンテン 繊細で香りが高く味のバランスが良く、苦みや甘み、コク、酸味の絶妙なバランスが美味しさの理由です。
  • 【グアテマラ】果物を思わせるやや強い酸味と、花のような芳しい香りが特徴的。日本では昔から知名度も高く人気のある銘柄です。
  • 【コスタリカ】豊かな酸味が特長です。苦味は控えめで、濃厚な甘味と深いコクを味わえます。 絶妙なバランスの取れたコーヒーです。
  • 【コロンビア】スプレモ 甘い香りとまろやかな口当たりにあります。苦味も酸味も抑えている中でコクがあり、とにかくバランスがいいです。マイルドタイプのブレンドとしてよく使用されます。スプレモとは、スペイン語で「最高級の」という意味。プレモはコロンビアで採れるコーヒーのなかでも品質の高い、希少なコーヒー豆です。
  • 【ブラジル】サントス 程よい苦味と爽やかな酸味、コクも感じられ癖がなくあっさりとした後味です。酸味はやわらかめとナッツやチョコレートの様な甘い香りです。世界の1/3はブラジル産のようでその中でも一番有名なのが「サントス」です。ブラジルのサントス港を通して出荷されるためです。
  • 【ペルー】マイルドで、後味に甘味が広がります。南米特有のナッツのような風味があり、軽めのコクとほど良い酸味、まろやかな苦味が特長です。

❸ 珈琲豆の品種

コーヒー属としては約40種類ありますが商業されている3大原種はアラビカ種、ロブスタ種にリベリカ種です。

アラビカ種

アラビカ種はエチオピアが原産地。はじめは薬用や飲用として使われていましたが13世紀ごろから煎られ、飲用に使用されるようになりました。エチオピアから中東アラブそしてヨーロッパに伝わり、世界で愛飲されるようになりました。アラビカ種は世界のコーヒ生産量の70%以上で世界のコーヒの主流になっています。香りや風味はロブスタ種やリペリカ種より一般的には優れているといわれています。

ロブスタ種

ロブスタ種は19世紀おわりにアフリカのコンゴで発見されました。優れた耐病性や高温多湿気候栽培が可能なことから、熱帯の低地で多く栽培されています。主産地はアフリカやアジア(ベトナムなど)です。炒り麦に似た香りと酸味が少ないのが特徴で工業用原料でインスタントコーヒなどに利用されています。

リベリカ種

リベリカ種はアフリカのリベリアが原産。耐候性が高く、病害にも強い。強い苦みが特徴です。世界の1%以下の生産量でほとんどがヨーロッパで消費されており日本で見かける事はほとんどありません。リベリアやスリナム、ガイアナなど数か国で生産しています。

➍ 珈琲豆の精製方法

精製とは、コーヒーチェリーから生豆を取り出す作業のことです。

ウォッシュド

最も広く用いられる精製方法。果肉除去機を使って果肉を除去した後、発酵槽に漬けて粘液質(ミューシレージ)を取り除きます。その後大量の水を使って洗い流し、乾燥棚に広げて乾かします。ウォッシュドで精製されたコーヒー豆はクリーンな味わいが特徴。

ナチュラル

コーヒーチェリーをそのまま天日干しにした後、脱穀によって生豆を取り出す最もシンプルな精製方法です。ナチュラルのコーヒー豆は、何といっても果実味にあふれたフレーバーが特徴的。果肉の香りや甘みが生豆に染み込み、フルーツのような甘酸っぱさと香りを感じられます。

ハニー

果肉を取る工程はウォッシュドと同じですが、粘液質は取り除きません。そのまま天日干しにすることで、粘液質が持つ糖分や酸味が生豆に染み込みます。そのため甘みや透明感を感じられる味わいに。この精製方法は大量の水や発酵槽を必要としないため、近年注目されつつある精製方法です。

スマトラ式

スマトラ式以外の精製方法では、パーチメントを取り除くタイミングは出荷の直前です。しかし雨が多いスマトラの地域では、早く乾かすために乾燥の段階で脱穀を行います。これが大地や土を思わせる、スマトラ産独特のフレーバーを生む理由と考えられているのです。しかし柔らかい生豆のまま乾燥させるため、変形したりカビが生えたりと欠点豆ができやすいのが難点です。

❺ 購入の注意とおすすめの保存方法

コーヒーは豆の状態と挽いた粉では、保存期間が同じではありません。挽く前と挽いた後での保存期間の違いや、より長い期間美味しく飲むためのポイント、保存容器の選び方、保存方法のお話です。正しい保存方法を覚えるとコーヒーの風味をグッと長持ちさせることができるので、ぜひ参考になさってください。

購入時のポイント

1.豆で購入することをお勧めします。

粉の状態では空気に触れる面積が大きくなり酸化が早まります。 酸化するとコーヒー特有の味わいや風味、香りなどが変化して酸味が強くなります。粉は1週間ほどで香りはほぼなくなりますが豆の状態ですと2週間でもまだまだ香りを楽しむことができます。コーヒーミルの購入費負担と挽く手間は掛かりますが豆を挽いた時にはコーヒーの香りが広がりとてもリラックスすることができます。ミルは是非とも購入される事をお勧めします。

2. 鮮度が高いものを選ぶ

コーヒー豆は、強そうな見た目に反して高温や湿気に弱いデリケートな食品です。風味を保つために、焙煎してから日がたっていないものを選びましょう。コーヒーの香りは焙煎から3日目で一番強くなりその後徐々に減っていくようです。
焙煎度が深い豆ほど焙煎直後からにじみがあります。そして時間が立つとどの焙煎度の豆でも油がにじみはじめます。この油はうまさの源なのです。ただし時間が立ちすぎると油が酸化し始めます。酸化臭がしたり、コーヒーの風味が著しく落ちていたりした場合、飲むのは控えた方が良いと思います。コーヒーは抗酸化成分を含んでいるせいか、油脂の酸化はとてもゆっくり進行するようです。

3.買いだめは少な目に

保存状態にもよりますが、豆の状態でも3週間を超えると風味の違いがわかるようになってきます。最後まで美味しく飲みきるためにも、1か月を超えての買いだめはおすすめできません。

おいしいコーヒーが飲める目安期間

保存方法や季節で変わってきますが常温での保存では

【焙煎豆】3週間ほど 開封後の豆は酸化したり香りの低下で風味が変わります

【挽き豆】10日ほど 豆の状態より空気に触れる表面積が大きいため、酸化や香りの低下が早くなります。

保存期間が過ぎてもカビや虫の発生、強酸化臭などがなければ半年ほどは問題なく飲むことは出来ますがデリケートな食品ですので早めに飲み切る事をお勧めします。

鮮度を保つ保存方法

1.密閉性・遮光性ある陶器やステンレス製で2週間分量で一杯になるぐらいの大きさをお選びましょう。  紫外線による酸化や湿度が豆の大敵です。これらを避けるため、密閉、遮光が重要です。  乾燥剤を入れる事で低湿度保存に効果があります。

2.冷蔵室で保存。 2週間ほど保存したい場合は空気をしっかり抜いたジッパー袋に入れ冷蔵室で保存します。  コーヒー豆は匂いが移りやす為、2重に袋に入れると匂い移り防止効果があがります

3.冷凍室で保存。 1か月を超える事が想定される場合は冷凍保存が有効です。冷蔵と同じ要領で2重の袋にいれ保存します。 解凍時の結露をさけるため、冷蔵庫で解凍するとよいです。夏場は特に注意下さい。急激な温度上昇が結露につながります。

❻ おすすめの珈琲の淹れ方

ドリップの方法はいろいろありそれぞれ微妙に違ってくるみたいです。淹れるプロセスや雰囲気を楽しみながらおいしいコーヒーを入れてみてください。 味の好みは人それぞれで、コクや香りの強い深煎り系が好きな私の淹れ方です。 豆の種類や鮮度、焙煎具合などで味、香りの方向性は決まりまがひと手間を掛けることでよりおいしく仕上がります。私の淹れ方をご紹介いたしますでご参考にしてみてください。
ドリッパーには色々な種類があります。1つ穴、3つ穴、金属タイプ、折り紙タイプ、Ⅴ60タイプなどです。穴が大きいと早く抽出するため薄く、穴が小さい抽出が遅く濃い目になります。私はオレンジの1つ穴か茶色の3つ穴のドリッパーを普段は使ってます。
➊豆の計量
1人分9g、2人分の場合は16gとしてます。3人分は21gです。
❷豆を挽く
直前に挽くのが理想的です。ゴマと比較してみました。ごまより細かくグラニュー糖より少し大粒の感じ。
❸ペーパーフィルターを折る
つなぎ目になっている底面と側面を前後に折り曲げる。
❹フィルターのセット

隙間なく密着するようにセットする。

➎粉をドリッパーに入れる

真ん中が山になるように粉を入れます。

➏お湯を沸かす

天然水を88度から92度ぐらいで沸かす。

➐全体にお湯を掛ける

少量のお湯を全体掛ける。ポットにぽつぽつ垂れる程度に。

➑豆を蒸らす

蓋をして30秒ほど待ちます。その間に珈琲カップにお湯を入れて温めておきます。

➒抽出
渦を巻くように大きく小さく回しながら湯を入れます。なるべくペーパーにはかからないようにします。少しお湯が減ったらつぎ足し一定のスピードで淹れます。
➓ポットの取り出し

⑩ポットの抜き取り。 目標量まで取れれば抽出の途中でもポットを抜き取ります。

⓫カップに注ぐ

複数のカップに入れる場合は少しずつ順番にいれます。

⓬完成です。熱いうちに美味しくお召し上げりください。

➐ 驚きのコーヒー健康効果

ネット上などの情報で要点をまとめてみました。ご参考程度にしてください。正確な情報はご自身でご確認をお願いします。

コーヒーのとんでもない効果に驚き!!

効果1.糖尿病のリスクを下げる

26歳から46歳の女性8万8千人の調査       カフェイン、ノンカフェインの差はなかった。

1日1杯 13%減少

1日2~3杯 42%減少

1日4杯以上 47%減少

 

ポリフェノールが多く含まれている影響ではないかと推測されているみたいです。

ポリフェノールはドリップコーヒーに特に多く含まれているようです。

【ご注意】飲めば糖尿病にならないわけではありません。たくさん飲めばよい訳ではありません。

カフェインは1日400mg以下がガイドラインとして各国から出ています。ドリップコーヒー1杯で一般におおよそ90㎎です。

効果2.死亡率の低下

2014年の研究をまとめたメタ分析

1日4杯のコーヒーを摂取する事で全原因死亡リスクが16%減少する事に関連した


米国国立衛生研究所での男性22.9万人、女性17.3万人の最長13年の調査では

喫煙等の要因を排除した上で1日2~3杯のコーヒーを摂取する人の死亡リスクは減少した。

男性10%、女性13%

効果3.痛風発作のリスクがさがる

コーヒー消費量がある程度増えた場合、痛風発作の発生率が下がったという結果が出ています。

効果4.肝硬変のリスクがさがる。

ある研究では「コーヒーを飲む人と飲まない人では肝硬変になるリスクが39%もさがった」との結果がでています。

また「進行したC型肝炎の進行率の低下した」との結果もあります。

C型肝炎は肝臓がんと関係が非常に大きい為、肝臓がんリスクを下げることも期待されているみたいです。

効果5.覚醒作用

朝の眠気をさますだけではなく脳を活性化させ集中力をアップさせます。

効果6.活性酸素の抑制。シミやしわに効果

コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸)は抗酸化作用がありシミやしわに効果があります。

1日数杯のコーヒーを飲む人はシミができにくいみたいです。

効果7.動脈硬化や心臓病のリスクをさげる

動脈硬化は悪玉コレステロールが酸化する事でおきます。クロロゲン酸などのポリフェノールの

抗酸化作用は悪玉コレステロールが酸化するのを抑えます。それにより動脈硬化や心臓病のリスクを下げると言われています。

効果8.脂肪燃焼効果でダイエット効果

クロロゲン酸などのポリフェノールは脂肪燃焼があります。またカフェインには脂肪代謝効果があります。

効果9.リラックス効果

コーヒーの香りで脳からα波(アルファー波)が出ることが研究でわかっています。心身がリラックスする時に出る物質がα波です。

深煎りで香りが強くでるコーヒーのほうが効果が高いです。

効果10.認知症の予防

アルツハイマー型認知症の予防にも効果がある研究結果もでています。

デメリット. コーヒー(カフェイン)の多量摂取での悪影響

①カフェイン依存症

②不整脈

③心臓疾患

④不眠

個人差もありますが一般的には1日2~3杯までがいいようです。

1杯でも動悸で眠れなくなる人、5、6杯でも問題ない人もいますのでご自身の体調で調整される事をお勧めします。